食道裂孔ヘルニアは横隔膜(おうかくまく)ヘルニアの一種なのですが、横隔膜ヘルニアの約70%近くを占めている。 特徴として他の横隔膜ヘルニアと違って全年齢に発症しやすいといった点である。
横隔膜は胸と腹部を仕切っている膜です。ただし完全に閉じられているわけではなく、大動脈と大静脈と食道が通る穴が開いています。この内の食道が通るために横隔膜に開いている穴を食道裂孔と呼びます。この食道裂孔に胃がはみ出してくると、食道裂孔ヘルニアになります。
食道裂孔ヘルニアは、胃のはみ出し方によってさらに3種類に分類されます。
先天性と後天性のものがありますが、大多数が後天性です。
1)滑脱型、2)傍食道型、3)混合型に分別されます。

食道裂孔ヘルニアの原因はほとんどの場合、先天性の場合と、加齢によるものの2種類に限定されます。そのため、幼児期までの子供か、逆に高齢の人に起こることが多いのが特徴です。
食道裂孔ヘルニアの大半を占める滑脱型の場合、初期には自覚症状はあまりなく、前傾姿勢で胸焼けがしたり、息苦しい気がすると言った程度のものですが、進行すると、強い胸焼けを呈します。時に胸痛も呈し狭心症発作の症状に似た症状が出る為、心臓内科に受診される方も多くみられます。
さて、横隔膜には胃の入り口(噴門)を横隔膜の締め付けによって塞ぐ働きもあります。
ところが食道裂孔ヘルニアになると、噴門が横隔膜の上に飛び出てしまい、噴門が上手く働けなくなります。すると、胃酸が食道のほうに逆流し、自分の胃酸で自分の食道の粘膜を傷つけて炎症を起こし逆流性食道炎を引き起こしたり、噴門がんや食道がんの遠因になったりします。
ですから、食道裂孔ヘルニア場合はヘルニアそのものより、ヘルニアが原因になって起きる合併症のほうが怖いのです。なお同じ食道裂孔ヘルニアでも、胃酸は若い人の方が強力に分泌されますから、若い人の症状のほうが重くなる傾向があります。胃酸を抑える薬は合併症を防ぐために必要です。
食道裂孔ヘルニアは、どちらかと言うと女性に多く、特に加齢によるものであればさらに女性の割合が増えます。また、重力との関係上、きちんとまっすぐに立つ人より、普段から前かがみで歩くような人のほうが発症しやすいと言うデータもあります。
一番症状が軽い滑脱型でも胃酸の分泌を抑える薬をずっと飲み続ける必要があります。最低限の予防のために姿勢はしゃきっとしておきたいものですね。蛇足ですが、姿勢が悪いと胃酸が逆流しやすいと言うことも覚えておくといいでしょう。

横隔膜を支配している横隔神経の出口である頚椎2番・3番・4番・5番を手技で矯正することにより調節します。